2026.03.12 議会質問報告

【令和8年第1回定例会】本会議(反対討論)(1.音楽ホール・震災メモリアル拠点の複合施設整備事業のうち実施設計、2.起業家・スタートアップ支援事業費、3.仙台市地球温暖化対策等の推進に関する条例の一部を改正する条例)

概要 Summary

 心豊かな社会をつくる会の大草よしえは、今回の議会で計6回登壇し、質疑等を行いました。第1回定例会では、これまでの議論の結果を踏まえ、議題となっている議案中、(1)音楽ホール・震災メモリアル拠点の複合施設整備事業のうち実施設計、(2)経済費のうち、起業家・スタートアップ支援事業費、(3)「仙台市地球温暖化対策等の推進に関する条例の一部を改正する条例」のうち太陽光パネルの設置義務化については、賛同しかねるとして、反対討論を行いました。以下に、大草よしえの反対討論の全文を掲載いたします。

令和8年第1回定例会 3月12日 本会議(反対討論) 心豊かな社会をつくる会 大草よしえ 質疑

1.音楽ホール・震災メモリアル拠点の複合施設整備事業のうち実施設計、2.起業家・スタートアップ支援事業費、3.仙台市地球温暖化対策等の推進に関する条例の一部を改正する条例

 心豊かな社会をつくる会の大草よしえです。ただいま議題となっている議案中3件について、反対の立場から討論を行います。

(1)青葉山エリア複合施設整備事業の実施設計

 まず、第14号議案 令和8年度仙台市一般会計予算について、青葉山エリア複合施設整備事業のうち、実施設計に係る予算として、歳出 第3款市民費 第1項市民費 のうち 実施設計業務委託分 5億131万円、歳入 第23款繰入金 第2項基金繰入金 のうち 魅力活力創出基金からの繰入金の一部 1億2541万円、第26款市債 第1項市債 のうち 文化振興施設整備費の一部 3億7590万円、債務負担行為 青葉山エリア複合施設整備事業のうち 11億6972万円が計上されております。しかしながら、本事業については、その必要性や妥当性に関し、市民から疑問や懸念の声が相次いでおります。

 そもそも文化とは本来、行政から与えられるものではなく、市民が主体となって育んでいくものです。市当局は当施設を「仙台ならではの新たな文化が創造されていく拠点」と謳っている以上、文化の担い手である市民の理解なしに事業を進めることは、到底認められません。

 市民の理解が得られていない状況のまま、事業を進めることは、結果として、市民から望まれない施設をつくることにつながりかねず、将来に重大な禍根を残すおそれがあります。まずは十分な説明と対話を尽くし、市民の理解を得ることが先決であると考えます。

 よって、市民の理解が十分に得られていない段階で実施設計に進むことには賛同できず、本予算案の当該部分には反対することを申し述べます。

(2)起業家・スタートアップ支援事業費

 次に、第1号議案 令和7年度仙台市一般会計補正予算 及び、第14号議案令和8年度仙台市一般会計予算 のうち、「起業家・スタートアップ支援事業費」に係る予算について、反対の立場から討論いたします。

 まず、「起業家・スタートアップ支援事業費」に係る予算として、第1号議案 令和7年度仙台市一般会計補正予算中 歳出 第6款経済費 第1項商工費のうち 起業家・スタートアップ支援事業費の追加 7430万円、歳入 第19款国庫支出金 第2項国庫補助金のうち一部3715万円、及び、第14号議案 令和8年度仙台市一般会計予算 歳出 第6款経済費 第1項商工費のうち 起業家・スタートアップ支援事業費 3億396万円、歳入 第23款繰入金 第2項基金繰入金のうち一部 1億7498万円が計上されております。

 しかしながら、市当局が本事業で5年後に目指す、としている「仙台で成長したスタートアップが、次世代のスタートアップを仙台で育てていく」という循環は、その実現を担保する制度設計が見当たらない点を指摘せざるを得ません。

 実際にヒアリングを行った結果、スタートアップ側からは「他により良い支援条件の場所があれば移る」との意見が多く聞かれました。さらに、仙台市本社要件の追加など、地域への定着を促す制度的対応についても、本市は消極的な姿勢を示しております。このような状況では、市当局が描く理想の循環の姿は、残念ながら絵に描いた餅になるのではないかとの疑問を抱かざるを得ません。

 さらに、本来、投資家など民間のビジネス領域であるスタートアップ個社の成長支援を、行政が税金を用いて担っている点についても、大きな問題があると考えます。スタートアップ投資は、本来、厳格な目利きとリスク判断の下で行われるべきものですが、行政はその専門性を本来的に有しているとは言い難く、また失敗した場合の責任の所在も不明確です。民間投資であれば、そのリスクと責任は投資主体が負うことになりますが、税金を用いる以上、そのリスクは市民が間接的に負うことになります。

 にもかかわらず、そのリターンは、「スタートアップが仙台に残るかもしれない」「さらに次世代のスタートアップを仙台で育ててくれるかもしれない」という、いわば二重の期待の上に成り立っています。これは、リスクとリターンの関係として極めて不均衡な制度設計であると言わざるを得ません。

 その上、行政が、本来民間が担うべき領域に踏み込むことにより、民間の参入を阻害する逆インセンティブが生じている点も看過できません。

 加えて、市当局はエコシステム・ビルダーとして地域のプレイヤーを最大限活かすべき立場にありながら、「スタートアップファースト」の考え方の下、主に東京のコンサルティング事業者に事業を外注している結果、地域にノウハウや社会関係資本が蓄積されない、いわばフロー型の制度設計となっています。

 以上の点を踏まえると、本市は最終的に「自律的で持続可能なスタートアップ・エコシステムの形成」を掲げているにもかかわらず、現行の制度設計は、結果としてその形成を阻害する方向に作用していると言わざるを得ません。

 したがって、市当局の制度設計には重大な問題があると考え、本予算案には賛同できないことを申し述べます。

(3)仙台市地球温暖化対策等の推進に関する条例の一部を改正する条例

 最後に、第44号議案 仙台市地球温暖化対策等の推進に関する条例の一部を改正する条例について、反対の立場から申し上げます。

 地球温暖化対策をはじめとする環境問題への取り組みの重要性については、十分に理解するものであります。しかしながら、本条例案に盛り込まれている太陽光パネル設置の義務化については、将来的な廃棄の問題や人権問題など、様々な懸念が指摘されているところです。そのような状況の中で、本市が国の制度動向に先んじてこれを導入することについて、現時点で十分に合理的な理由が示されているとは言い難いと考えます。

 以上のことから、第44号議案には賛同できないことを申し述べ、私の反対討論といたします。

 ご清聴ありがとうございました。