2026.02.25 議会質問報告

【令和8年第1回定例会】予算等審査特別委員会(市民費)「音楽ホール・震災メモリアル拠点の青葉山エリア複合施設整備(実施設計発注前に市民理解が必須)」

概要 Summary

 心豊かな社会をつくる会の大草よしえは、今回の定例議会で計6回登壇し、質疑等を行いました。このうち新年度の予算案について審査を行う予算等審査特別委員会(市民費)では、本市が整備を進める音楽ホール・震災メモリアル拠点の青葉山エリア複合施設について、基本設計(中間案)の説明に対し、市民から疑問や疑念が相次いでいる現状を取り上げました。本市は当該施設を単なる音楽ホールではなく「仙台ならではの新たな文化創出拠点」と謡う以上、文化の担い手である市民の理解を得ないまま事業を進めることは容認できません。「実施設計へ進む前に、市民理解を得ることが先決ではないか」と質しましたが、市当局の答弁は「市民との対話は行うが、それとは別に、実施設計は実施設計で進めていく」という趣旨だったため、このままでは、なし崩し的に事業が進められていくことが懸念されます。そのため予算等審査特別委員会最終日、「実施設計発注前に市民理解を得ることを前提として事業を進めるとともに、理解が得られない場合には事業の進め方の見直しを行うこと」を強く求める附帯意見案を提出しましたが、賛成少数で不採決となったため、本会議の採決時には反対討論(リンク )を行いました。
 以下に、大草よしえによる質疑の録画中継(仙台市議会HPリンク)、質疑内容及び市当局の答弁(全文)を掲載いたします。

録画中継はこちら

令和8年第1回定例会 2月25日 予算等審査特別委員会(市民費) 心豊かな社会をつくる会 大草よしえ 質疑

音楽ホール・震災メモリアル拠点青葉山エリア複合施設整備
(実施設計発注前に市民理解を)

Q1 私からは、第3款市民費のうち「青葉山エリア複合施設整備」事業について伺います。はじめに令和8年度の予算額と事業の概要をお示しください。

答弁 Answer

文化観光局

 複合施設整備に係る令和8年度当初予算額は13億9562万円余となっております。内訳といたしましては、実施設計費用で5億138万円余、その他の施設整備関連費用で7億6680万円余、機運醸成事業などプレ事業の実施や管理運営の細目検討等の費用で1億円2751万円余となっております。

Q2 このうち実施設計について伺います。基本設計と実施設計の目的の違いを、一般論としてお示しください。

答弁 Answer

文化観光局

 基本設計は、基本構想・基本計画の内容を踏まえ、具体にどのような建築空間にするかを検討し、設計図面等により、大まかな仕様を決定するものでございます。実施設計は、基本設計の設計図面に基づきまして、さらに詳細な構造、設備、材料の選定などを行い、工事発注手続きに必要な図面や仕様書などを作成するものでございます。

 つまり一般論といたしましては、基本設計の目的は、計画の可否を判断するためのもので、実施設計の目的は、その検討結果を踏まえ、着工に向けて、詳細な設計図を作成するためのもの、ということであります。しかしながら、本当に、十分な検討がなされたと、言えるのでしょうか。必要なのは、市民の理解ではないでしょうか。

 というのも、昨年12月14日に開催された仙台市主催の基本設計(中間案)の市民向け説明会に参加させていただいた際、質疑応答の様子を見る限り、仙台市と市民との意思疎通に重大な齟齬があることが見受けられましたので、12月15日に開催された常任委員会で、「市民が納得しない形で進めるのは問題があるのではないか」と質問させていただいた際、局長からは「これまでの市民との合意形成のプロセスに問題はない」旨のご答弁をいただきました(リンク)。

【写真1】仙台市が主催した基本設計(中間案)の市民向け説明会(12月14日)

 ところが、その後、市民有志の主催で、多様な市民が参加した意見交換会が1月26日と2月20日の合計2回開かれ、私も2回とも最初から最後まで参加させていただいたところ、市民からは「仙台市の計画には多くの疑問や疑念が残り、皆、モヤモヤしている。市民が納得できないまま、このまま仙台市が一方的に事業を進めるのであれば、市民から選ばれる施設にはなり得ない。実施設計に入る前に、市民との対話と、熟慮の時間を、取ってほしいので、実施設計に入るのは一旦待ってほしい」との意見が、総意としてまとめられました。

【写真2】市民有志が主催し多様な市民が参加した意見交換会(1月26日、2月20日)

 そもそも、文化とは、行政から与えられるものではなく、市民が主体的に育むものです。仙台市がこの複合施設を、単なる音楽ホールではなく、「市民主体の文化創造の場」と謳っている以上、少なくとも市民が「主体的に関わりたい」と思える合意形成のプロセスが必要不可欠ではないでしょうか。しかしながら現状を鑑みるに、そのプロセスが適切に踏まれているとは、到底言えないと思われます。

Q3 したがって、少なくとも市民から望まれる施設になるまでは、実施設計に関する予算については一旦とめるべきと考えますが、郡市長のご見解をお伺いいたします。

答弁 Answer

文化観光局

 この施設は、災害文化と文化芸術の融合によります本市でしか生み出し得ない価値を創造し、世界に発信していく施設として、これまで多くの議論を重ねて参りました。ご指摘の会議におきましては、施設のハードやソフトの様々な面から多様なご意見があったということを担当から報告を受けておりまして。その中での意見として「複合でなければ、仙台らしさが出ないと思う」といった意見もあったというふうに聞いております。今後の実施設計段階においては、施設の使い方や具体的な事業展開につきまして、さらに議論を深めていく必要があると認識しておりまして、市民の皆様との丁寧な対話を重ねながら認識を共有いたし、着実に整備を進めて参りたいと考えてございます。

Q4 ということは、つまり、市民からの理解がきちんと得られた後に、実施設計に進む、という理解でよろしいですね。YesかNoかでお答えください。

答弁 Answer

文化観光局

 まずは、今年度末に基本設計が終了いたします。その見込みで今、作業をしております。その間、市民の皆さんと意見交換とか対話を進めていきたいと考えておりますが、実施設計で進めるものとはまた別だと思っておりますので、実施設計の方も、ECIの話もしておりますが、進めつつ、市民の皆さんとの対話も進めて参りたいと考えてございます。

Q5 ということは、市民からの理解が得られた後、実施設計というわけではない、という理解でよろしいでしょうか?

答弁 Answer

文化観光局

 市民の皆様との対話も進める、これ大事だと思っております。その一方で、実施設計に反映できるもの・反映できないものも恐らくあると思います。そういう意味では、実施設計は実施設計で進めていく、という考えでございます。以上であります。