第11回「科学と社会」意見交換・交流会(ゲスト:歴史学者の加藤諭さん)の参加者を募集します(2025.3.14開催)

心豊かな社会をつくる会(代表:大草芳江)では、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、「科学・技術の地産地消」具現化のアプローチを多角的に模索するために、「科学と社会」をテーマに、各界から毎回多彩なゲストを迎え、宮城の日本酒を交えながら、ざっくばらんに政策立案に資する議論を行うニュータイプの意見交換会を定期開催しています。
「科学と社会」についての捉え方は、立場によって異なります。議題は、ゲストが「科学と社会」をどのように捉えているかからスタートし、その切り口から、参加者同士で議論を行います。議論の様子は、市民参加型の政策立案プロセス検証の一環として公開することにより、広く社会と共有します。
第11回のゲストは、歴史学、アーカイブズ学がご専門の加藤諭さん(東北大学史料館 教授)です。今日における「科学と社会」の関係がどのような経緯でつくられてきたかを理解することは、わたしたちがこれからの未来、どのように進むべきかを考える上で重要です。加藤さんからは、わたしたちの地域における大学と社会の関わりについて、東北大学の初発の歴史からひも解いていただき、どのような経緯で今日の大学の原型がかたちづくられてきたのか、社会とのつながりから大学の歩みを解説いただき、参加者同士でざっくばらんに議論いたします。
開催概要 Summary
【名称】第11回「科学と社会」意見交換・交流会
【日時】2025年03月14日(金)19:00〜21:00
【場所】綴カフェ(仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル1階 https://tsuzuri.jp/)
【ゲスト】加藤諭さん(東北大学史料館 教授)
[略歴] (かとう・さとし)1978年仙台市生まれ。東北大学文学部卒業、同大学院博士課程単位取得退学。専門は歴史学、アーカイブズ学。東京大学文書館特任助教、東北大学史料館准教授を経て、現職。国の公文書管理法が定める大学アーカイブズにおいて、複数館での教務経験を有する研究者として、大学・企業・社会の記録管理と歴史学を組み合わせた研究を進めている。主な著書に『日本の百貨店史 地方、女子店員、高齢化』(共著、日本経済評論社)、『老い-人文学・ケアの現場・老年学』(編著、ポラーノ出版)、『戦前期日本における百貨店』(清文堂)、『大学アーカイブズの成立と展開―公文書管理と国立大学』(吉川弘文館)、『帝国大学における研究者の知的基盤-東北帝国大学を中心として』(編著、こぶし書房)など。
【費用】3,000円(綴カフェ軽食と宮城の日本酒の実費です。恐れ入りますが、価格上昇に伴い費用を改定させていただきました)
【定員】先着25名(定員になり次第、募集を締め切らせていただきます)
【締切】開催日の前々日まで
【申込方法】名前・所属・連絡先(当日つながる携帯電話番号)をご記入の上、メールにて以下アドレス info@yoshie-ohkusa.info までお申し込みください。
【主催】心豊かな社会をつくる会(代表 大草芳江)
【備考】議論の様子は、市民参加型の政策立案プロセス検証の一環として、無記名で議事録を作成し公開いたします。
【講演要旨】
「東北大学の歴史と社会貢献・寄附の系譜」 加藤 諭
東北大学は1907年に日本で三番目の大学として設立されました。東北大学は帝国大学としてスタートしますが、その大学のあゆみは平坦なものではなく、国からの資金だけでは成り立ちませんでした。そうしたなかで、陰に陽に大学を支えてきたのが、地域や篤志家からの支援の系譜です。今回は、東北大学の初発の歴史からひも解いて、帝国大学期を中心として、どのような寄附を受けながら今の大学の原型がかたちづくられてきたのか、社会とのつながりから大学の歩みをみてみたいと思います。
東北大学は20世紀に入って初めて誕生した帝国大学ですが、当時国は財政が厳しく、大学の創設については全面的に国庫で賄うことに一定の限界がありました。また大学内に研究所を設けていく際にも、民間からの寄附無しではスタートが切れませんでした。将来の文系学部の設置を見据えて図書館機能を充実させていくことについても、篤志家からの支援なくして蔵書を増補させていくことはできませんでした。現在東北大学が誇る金属材料や電気通信研究における組織の成り立ち、国宝からなる貴重書コレクションの集積など、その源流にあった大学と社会との関わりについてお話しします。
開催報告 List
- 第9回「科学と社会」意見交換・交流会をスパコン科学者の川添良幸さん(東北大学未来科学技術共同研究センター シニアリサーチ・フェロー、名誉教授ドットコム株式会社代表取締役)をゲストに迎えて開催しました(2024年12月26日)
- 第8回「科学と社会」意見交換・交流会を工学者の伊藤弘昌さん(元東北大学電気通信研究所長、元東北大学未来科学技術共同研究センター長)をゲストに迎えて開催しました(2024年11月29日)
- 第7回「科学と社会」意見交換・交流会を光化学者の福村裕史さん(元東北大学理学研究科長、元仙台高等専門学校校長)をゲストに迎えて開催しました(2024年10月25日)
- 第6回「科学と社会」意見交換・交流会を地球生命科学者・深海生物学者の北里洋さんをゲストに迎えて開催しました(2024年07月30日)
- 第5回「科学と社会」意見交換・交流会を宇宙物理学者の二間瀬敏史さんをゲストに迎えて開催しました(2024年5月24日)
- 第2回「科学と社会」意見交換・交流会を経営学者の大滝精一さん(至善館副学長・東北大学名誉教授)をゲストに迎えて開催しました(2024年2月26日)
- 第1回「科学と社会」意見交換・交流会を文部科学省の斉藤卓也さん(理化学研究所経営企画部長、前文部科学省人材政策課長)をゲストに迎えて開催しました(2023年11月29日)
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