2025.09.05 イベント告知

第15回「科学と社会」意見交換・交流会(ゲスト:東北大学副理事(ナノテラス共創担当)・光科学イノベーションセンター理事長の高田昌樹さん)の参加者を募集します(2025.10.14開催)

 心豊かな社会をつくる会(代表:大草芳江)では、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、「科学・技術の地産地消」具現化のアプローチを多角的に模索するために、「科学と社会」をテーマに、各界から毎回多彩なゲストを迎え、宮城の日本酒を交えながら、ざっくばらんに政策立案に資する議論を行うニュータイプの意見交換会を定期開催しています。「科学と社会」についての捉え方は、立場によって異なります。議題は、ゲストが「科学と社会」をどのように捉えているかからスタートし、その切り口から参加者を交えて議論を行います。議論の様子は、市民参加型の政策立案プロセス検証の一環として公開することにより、広く社会と共有します。

 第15回のゲストは、次世代放射光施設「ナノテラス」の整備・運営を地域で担う光科学イノベーションセンター理事長の高田昌樹さん(東北大学副理事(ナノテラス共創担当))です。ナノテラスは、「放射光」という太陽光の10億倍以上も明るい光(軟X線)を用いて、ナノスケールで物質の状態を可視化できる、世界最高レベルの高輝度放射光施設です。東日本大震災からの「創造的復興」のエンジンとして、官民地域パートナーシップ(量子技術研究開発機構、光科学イノベーションセンター、宮城県、仙台市、東北大学、東北経済連合会)により東北大学青葉山新キャンパス内に整備され、2024年春から稼働を開始しました。しかし、その実現までの道のりは決して平坦なものではなく、この計画は2015年、国からの財政支援の前提条件が満たせず、頓挫の危機を迎えます。その絶体絶命の危機から生まれた仕組みが「コアリション(有志連合)」という、これまでにない新たな産学連携の形でした。

 このコアリションの仕組みを提唱し、ナノテラスの実現に尽力してきたのが高田さんです。「企業が新しいものづくりに取り組み、事業に活用することで、社会課題の解決に対応する施設にしたい」と力強く語る高田さんから、ナノテラス実現の舞台裏、そしてこの世界最高峰の施設が拓く可能性についてお話いただきます。議論の核心は、ナノテラスをエンジンに、いかにして東北の地域課題を解決し、日本の未来を切り拓くかです。例えば、県外への人口流出に歯止めをかけ、世界中から才能を引き寄せる『知の拠点』をどう形成するのか。 地域の中小企業や農林水産業が最先端科学をどう活用し、新たな価値を創出するのか。そして、震災復興のシンボルとして始まったこの挑戦が、脱炭素や次世代医療といった国の喫緊の課題解決に繋がり、ひいては日本の構造的課題に対する解決策のモデルケースとなりうるのか。「イノベーション・エコシステム」という言葉の先にある、私たちの暮らしと社会の未来像について、参加者の皆様とざっくばらんに語り合います。

開催概要 Summary

【名称】第15回「科学と社会」意見交換・交流会
【日時】2025年10月14日(火)19:00~21:00
【場所】綴カフェ(仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル1階 https://tsuzuri.jp/
【ゲスト】高田昌樹さん(光科学イノベーションセンター理事長、東北大学副理事(ナノテラス共創担当))
[略歴](たかた・まさき) 広島県生まれ。東北大学名誉教授。1982年広島大学理学部物性学科卒、1997年広島大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。名古屋大学、島根大学、高輝度光科学研究センター、理化学研究所放射光科学総合研究センターを経て、2015 年より東北大学多元物質科学研究所教授・東北大学総長特別補佐として東北放射光計画を推進、2020 年より東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター教授。2017年より一般財団法人光科学イノベーションセンター理事長を兼任し、ナノテラスの整備・運営に携わる。2025年より、東北大学副理事(ナノテラス共創担当)、東北大学ナノテラス共創推進機構 副機構長・教授・グローバルコアリションインスティテュート副インスティテュート長。
【費用】3,000円(綴カフェ軽食と宮城の日本酒の実費です)
【定員】先着25名(定員になり次第、募集を締め切らせていただきます)
【締切】開催日の前々日まで
【申込方法】名前・所属・連絡先(当日つながる携帯電話番号)をご記入の上、メールにて以下アドレス info@yoshie-ohkusa.info までお申し込みください。
【主催】心豊かな社会をつくる会(代表 大草芳江)
【備考】議論の様子は、市民参加型の政策立案プロセス検証の一環として、無記名で議事録を作成し公開いたします。


開催報告 List